趣味の写真とのんきなお喋り
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たいがいのそのスヂの方はおつしやいます。「一流のものに触れなさい」と。

ある写真家が、写真の道を志す若い人に、ある評論家が若い人に、ある音楽家が、ある漫画家が、ある料理人が、ある先達が、異口同音に「一流のものに触れよ」と若い世代に言ふ。

自分の志す分野だけではなく、他の分野も一流のものに触れるべきだと言ふ。

これはその通りですね。異論はありません。

そこで、私たちの世代が次の(次の)世代(今年成人するといふくらゐの世代)に「一流のもの」を紹介するとしたら、さて、あなたなら何を紹介しますか?

私だつたら、人間の思考は言語によりますから、まづ言語作品の「一流」を挙げたいと思ひます。これは古今東西の垣根無しに、最高傑作群を紹介してあげたいですね。

その次が音楽で(とはいへクラシック音楽しか知らないので、そればかり)、それから映画、演劇(古典も近代以降のものも)、美術(写真はここに入れる)、建築(といふよりは建築写真か。海外だとなかなか現地へは行けませんしね)、と続くかな。

自分に近しいジャンルが文学と音楽と映画なのは、これら3ジャンルの類縁性そのものによると言ひたいけれど、さういふ話は面倒なので、私の性格と「時間の進行にしたがつて享受する藝術」とが合つてゐるからだと、ケムに巻くやうなことを言つておきます。

といつたやうな「名作案内」の類、昨今はどうも流行らないやうな気がします。

みんな「我」が強くなつて、「案内? 余計なお世話ぢや」と思ふやうになつてきたし、何より「教養を伝承する・すべきである」といふ発想が私たちから薄れてしまつたからです。

ポストモダンなんていふ、底の浅いもんが流行つてからは特にその傾向が強まり、ポストモダンが廃れたあとも、その傾向だけは残つたやうに思ひます。

ここで思ひ出すのは、佐々木力さんの「学問論」(東京大学出版会)の序文。「ポストモダンはお粗末過ぎる」と言ひ切るだけあつて、論理は強靭、主題は明快。福澤諭吉も丸山真男も一度も読んだことがないといふ人でも(私ではない)、にはかに彼らに親しみを感じてしまふほどです。

もちろん「一流のもの」にいくら触れても、当の本人が何も考へないやうではダメでせう。でも、なんにも触れないよりは、たとへ表面的であつても、かすつただけであつても、触れないよりははるかに良い。私はさう思ひます。

今年はトルストイ没後100年(レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ。1828-1910)。どこかの本屋さんで高校生くらゐの若い人が、その長さに躊躇しつつもしかし意を決して「戦争と平和」の第一巻を手に取り、レジへ向かふ。そんな光景が、出来れば日本各地で何度も繰り返されて欲しいと、私は切に願ひます。





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支配人プロフィール
HN:
NOMi Koichi
年齢:
51
性別:
男性
誕生日:
1965/07/09
趣味:
写真、音楽、文学
自己紹介:
Koichi NOMi と申します
東京在住の写真好きです

女の子ポートレイトを中心に
街やらライブやら
色んなものを写して
表現して楽しんでゐます
皆さま
どうぞよろしくお願ひ致します
(*^▽^*)/

フランスの写真家
ギイ・ブルダンが大好きです
(Guy Bourdin, 1928-1991)
Guy Bourdin: A fetish for fashion
明快な細部と曖昧な物語性
大胆な構図と緻密な状況設定
そして色
どこをとつても素晴しい!

私も
どうせ写真を撮るなら
彼のやうな作品が撮りたいな
とは思ふのですが
ちよつと道のりは遠いかな
(苦笑)

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